今回の旅の出発点は、鎌倉のシンボル・鶴岡八幡宮です。勝負運・仕事運・家内安全をはじめ、さまざまなご利益があるパワースポットとして広く知られています。
源頼朝公のイメージが強い“八幡さま”ですが、創建したのは祖先である源頼義。源氏の氏神として由比ガ浜に八幡神を祀ったのがはじまりと言われ、頼朝公によって1180年に現在の場所へと遷されました。

一礼して三ノ鳥居をくぐり、境内へ。しばらくすると舞殿が見えてきました。静御前が源義経を想って舞を舞ったと伝えられる若宮廻廊の跡地に建てられ、神事のほか、結婚式も挙げられています。

舞殿の奥には、大河ドラマにも多数出てきた大石段。そのかたわらでは、2本のいちょうの木が紅葉の見ごろを迎えていました。もともとは樹齢1000年を数える1本の御神木でしたが、2010年、強風により倒木。現在の御神木はその継木で、15年の時を経て樹高8メートル超に成長しました。元の木の幹の一部とその脇から伸びた若木（写真左）も元気に育っています。ものすごい生命力ですね！

階段を上った先には、応神天皇・比売神・神功皇后をお祀りする本宮があります（※本宮は撮影禁止）。

お参りする際に、ぜひ注目したいのが、本宮入口の中央に掲げられている「八幡宮」と書かれた扁額（へんがく）。よく見ると八の字が2羽の鳩をかたどった‟鳩字“になっているのがわかります。鳩は八幡神の使いとされており、敷地内で飼育もされているのだそう。

ということで、本宮を参拝したあとは、「鳩みくじ（200円）」で運だめし！

可愛らしい鳩のお守り付きです！

結果は吉。鳩みくじは大吉・吉・中吉・小吉・末吉・凶・大凶の順番でよいとのことで、まずまずの運勢にホッとしました。

願いが叶うように、おみくじ掛けに丁寧に結びます。

紅葉の名所としても知られる鶴岡八幡宮。この日は、柳原神池にかかる橋から色づきはじめた紅葉を鑑賞できたほか、

源頼朝公、実朝公がお祀りされている白旗神社、

国宝館前でも赤と黄金色の見事な紅葉に遭遇！

三ノ鳥居近くの橋からは源氏池との風情ある景色を堪能しました。
御神木のいちょうをはじめ、色とりどりの秋らしい風景に出会える鶴岡八幡宮。人出の少ない朝の参拝がおすすめです。

数ある鎌倉の銘菓のなかで、今もっとも注目されているスイーツの1つが鎌倉紅谷の「クルミッ子」。当ホテルに近いラゾーナ川崎店でも「オープン前からの行列なくして購入できない」人気の商品です。

そんな幻のスイーツを、さまざまなメニューでいただけるのが、2024年2月にオープンした「鎌倉紅谷 小町横路店カフェ」。にぎやかな小町通りからほど近い、閑静な住宅街にあります。

ショップとカフェを併設する同店。

中央の階段を境に、エリアがわかれています。

木のぬくもりが感じられるゆったりとしたショップで、まずはお買い物。

なかなか手に入らない貴重なクルミッ子がずらり。ちなみに1個（162円）単位で買えるのは、一部の店舗だけだそうです

今回は「クルミッ子10個入（缶）（2,160円）」をゲット！キャラクターであるリスくんの可愛らしさに惹かれ、即買いしちゃいました。
いちょう型のサブレ—「鎌倉だより（プレーン）」の余り生地を利活用するというサステナブルな発想から約40年前に誕生したクルミッ子。

2008年にパッケージをリニューアルするまでは、“鎌倉殿”源頼朝公のパッケージだったというから驚きです……！

ここからは、待ちに待ったカフェタイム。クルミッ子にまつわるメニューを3品オーダーしました！
こちらのイートイン、1階席は12：50まで、2階席は13：20までは予約制です。

「飲むクルミッ子（左／823円）」は粉砕したクルミッ子1.6個分とキャラメルソース、クルミ、ミルクアイス、牛乳、氷をミックス。「クルミッ子って実は飲み物だったの…？！」と錯覚してしまうほど秀逸なメニューです。

シンボルキャラクター「リスくん」型のクッキーとクルミッ子がのった「クルミッ子パフェ（右／1,595円）」は塩キャラメルアイスとミルクアイスで“らしさ”を強調。ベースにコーヒージュレとチョコレートムースを敷くことで、後味さっぱりの1品に仕上げてあります。

こちらは「クルミッ子デニッシュトースト（880円）」。クルミッ子をサックリ食感のデニッシュで包んだ斬新なスイーツ！

デニッシュのなかにクルミッ子を見つけるプロセスは、まるで宝探しのよう。クルミッ子の新たな魅力が発見できる、ファンに嬉しいカフェです。

さらなる紅葉と名物グルメを求めて、北鎌倉へ。建長寺は禅宗寺院の格付けである「鎌倉五山」において最も高い格式を誇る寺院です。1253年（建長5年）に鎌倉幕府第5代執権・北条時頼によって創建。開山（初代住職）には宋から高僧・蘭渓道隆を迎え、日本初の禅宗専門道場として禅の教えが広まる重要拠点となりました。

重要文化財を数多く有しているのも建長寺の特徴。上の写真の三門や、

金色の装飾が印象的な唐門、仏殿や鐘楼など見ごたえある歴史的建造物ばかり。

唐門を正門とする龍王殿に入ると、書やふすま絵のほか、

開山・蘭渓道隆によって作庭され、名勝史跡にもなっている庭園を鑑賞できます。この日は、艶やかな紅葉を目にすることができました。

境内のさらに奥へと進み、鎌倉有数の景勝地である半僧坊大権現へと向かいます。

唐門から15分ほど歩くと、急な階段が出現。250段のぼれば到着するのですが、見た目以上になかなかキツい……！

御水屋で手を清めつつ、あがった息を整え、

半僧坊さまに仕える天狗像に見守られながら、

到着。紅葉で色づく山を眺めつつ、半僧坊さまに手を合わせます。この日一番、達成感を味わった瞬間かもしれません。

残念ながらこの日は、富士見台から富士山は拝めませんでしたが、

「快晴であれば、こんな風にくっきり見える日もあるそうです。

しかし、さすがは鎌倉が誇る景勝地、

紅葉で赤く染まった山々と、彼方向こうにのぞく海のコンビネーションが絶妙でした。

最後に、朱印所で「八臂（はっぴ）弁財天 夢お守り（1,000円）」を授けていただきました。

持ち運びしやすいカード式が嬉しい！願いが叶うよう、その場でスマホケースへ入れました。

最後にご紹介するのは「点心庵」。建長寺が発祥とされるけんちん汁を直伝のレシピで調理し、提供するお店です。

禅宗の草分けである建長寺の門前に店を構えていることから、テーマとして掲げているのが、茶の湯と禅の教えの本質は同じであるという“茶禅一味”。店内には坐禅体験ができる「坐禅堂」があります。

円窓からのぞく緑の美しさにうっとり。

同じく円窓がある個室に案内していただきました。

こちらは「伝承けんちん汁（1,200円）」。小鉢と塩むすびがついていて、ランチにちょうどよいボリューム感です。

建長寺の開山・蘭渓道隆が、野菜の皮やヘタを無駄にしないよう精進料理として発案したのがはじまりとされる、けんちん汁。

点心庵では建長寺より伝授された調理法に従いつつ、素材を厳選。鎌倉をはじめ神奈川県産の野菜のほか、調味料には瀬戸内の花藻塩、小豆島の丸島醤油、三重県の九鬼一番搾りごま油を使用。素材のうまみをじっくり堪能できる贅沢な一杯です。茨城県産コシヒカリを使用した塩むすびも絶品！シンプルな料理ほど素材の良さが引き立ちますね。

色鮮やかな鎌倉野菜が印象的な「湘南野菜の鎌倉はちみつカレー けんちん汁セット（2,100円）」。建長寺の山で自社養蜂しているはちみつを使用。優しい甘みがスパイスの豊かな味わいを引き立てます。

デザートには「鎌倉はちみつプリン（710円）」をチョイス。香り高い自社製はちみつを存分に味わえる、かためのプリンです。パウダーシュガーで描かれた柴犬もキュート！

ペットとの同伴がOKな建長寺境内と同じく、点心庵でも入口近くのカウンター席に限り、ワンちゃん、ネコちゃんとともに食事が楽しめます（※事前予約制）。円窓でのペット撮影も可能だそう。
ここでしか味わえない鎌倉の味を堪能しながら、みんなが心地よく過ごせる……とても貴重なお店です。