川崎大師の入口である大山門をくぐり、正面に見えるのが「大本堂」です。御本尊である厄除弘法大師のご宝前では、護摩祈祷が毎日行われています。

川崎大師が「厄除けのお大師さま」として全国に広く知れ渡るようになったのは、建立から700年ほど経った江戸時代。11代将軍・徳川家斉公が厄除け祈願のため参拝に訪れたことがきっかけとなりました。

護摩木を焚いて火で煩悩を焼きつくし、諸願成就を願う護摩祈祷は当日の申し込みで行えます。厄除けをはじめ、家内安全、商売繁昌など開運の祈願をおすすめします。

川崎大師の公式キャラクター「ひらまくん」は、川崎大師の御本尊さまを海から引き揚げたとされる平間兼乗の子ども時代の姿がモチーフ。漁師として生活していたため、腰みのや魚籠、釣り竿を持っているキャラクターとなりました。デザインは「せんとくん」の生みの親として知られる彫刻家・籔内佐斗司さん。だから兄弟のようにそっくりなんですね！

思わず目を奪われてしまう、煌びやかな天井画。境内にある「経蔵」には、中国最後の木版大蔵経『乾隆版大蔵経』が7240冊収蔵されています。御本尊・説法釈迦如来のご宝前に荘厳されているのは五鈷杵。金箔を奉納すると、仏さまとご縁を結ぶことができるそうです。

境内をめぐると、川崎大師ならではの参拝スポットがあちこちに。
女性に人気の「しょうづかの婆さん」は、昔より歯や美容にご利益があるとされています。芸能人やモデルもお忍びで訪れているとか。

境内のお守りお授け所では、しょうづかの婆さんのご利益にあやかり 「しょうづかべっぴん守（500円）」もお授け。袋のなかには小さなパフが。「身も心も美しく健やかに」という願いが込められています。
ちなみに、当ホテルの美人スタッフも、化粧ポーチにこのお守りを入れて持ち歩いているそうです！

境内にはこのほか、包容力、完全性を象徴する円の形に近い「八角五重塔」や、四国八十八カ所霊場のお土砂が埋納されたお遍路を巡拝できる「遍路大師」も。時空や場所を超えて祈願できるなんて、まるで夢のようですね。

「やすらぎ橋」を渡った先には、お釈迦さまが。池に目を向けると、美しい鯉の姿も見られ、その名の通り、心が安らぐ場所です。

薬師瑠璃光如来尊像と十二神将が奉安されている「薬師殿」では、川崎大師オリジナルの写仏「彩色仏画」を体験できます。受付時間は毎日9時から15時まで。料金は1000円です。

塗り絵のように色を塗る「彩色仏画」の絵柄は13種類。薬師瑠璃光如来尊像、または自身の干支に相当する十二神将のいずれかをセレクトしたあと、専用の道場へ入ります。

体験に入る前に、緑の輪袈裟（わげさ）を首にかけ、お授けされた塗香（ずこう）を手のひらですり合わせて身を清めます。

実際の仏像の写真を参考に、色鉛筆で自分好みの色を塗ることもできます。何もかも忘れて、無心になれるひととき。ひととおり塗り終わったら、願いごとや氏名などを書き入れて奉納します。

この道場では写経も体験できます。「般若心経」は1000円、「ご宝号（南無大師遍照金剛）」は500円。受付時間は彩色仏画と同じです。

薬師殿では、御朱印もお授け。川崎大師では大本堂、護持志納受付所、不動堂、自動車交通安全祈祷殿の全5か所で御朱印がいただけます。
「ひらまくん」の御朱印帳は1冊1300円（ご朱印代含む）。ぜひチェックしてみてください。

大山門から境内を出てすぐの仲見世通りでは、趣向を凝らしたご当地スイーツを堪能できます。トントコ、トントコ……「日本の音百選」にも選ばれた、飴を切るリズミカルな音に包まれながら、いざ食べ歩きへ。

まずは、「山門前 喫茶 住吉」へ。川崎大師名物の「久寿餅」は、500円。できたての柔らかい食感が癖になる美味しさです。お大師様の縁日にあたる毎月20・21日は半額の250円で提供しています。

久寿餅の原料は、くず粉ではなく小麦粉。地下水を混ぜながら400日にわたって発酵させ、できあがった生地を蒸篭で蒸す、という時間と手間をかけた丁寧な工程でつくられています。

2023年11月の月替わりメニュー「あん久寿餅（600円）」。酸味のあるハイビスカスのソースとハスカップのパウダーが、あんこの甘さとほどよくマッチ。柚子、抹茶を練り込んだ羊羹で色どりも鮮やかです。

6種の豆とサイコロ状の久寿餅を黒蜜で味わう「まめ久（600円）」。平日10食、土日祝日20食の数量限定商品です。

歩きながら気軽にスイーツを味わいたいという人には「わらび餅大谷堂」の「釜揚げわらび餅（330円）」がおすすめです。

鍋で作り上げる、できたてほやほやのわらび餅。ふわとろな食感とほどよい甘さが旅の疲れを癒します。店頭では電子レンジで調理できるお土産パック（600円～）も販売しています。

川崎大師と京急大師線「川崎大師」駅をつなぐ表参道にも、飲食店や雑貨店がいっぱい。そぞろ歩きが楽しいストリートです。

愛嬌たっぷりのたぬきが目印の「南天堂」は、縁起物や民芸品、仏具を扱う雑貨店。

人気商品のひとつ、お香の取扱い数は約30種類、お線香は約60種類。他店では類を見ない豊富な品揃えで、何種類も購入するお客さんも多いとか。仏具はほかに、小仏具、十二支守本尊、念珠、腕輪念珠、絵ろうそくなども。

思わず連れて帰りたくなる！愛らしさいっぱいの川崎大師だるまの紙風船は800円。

二匹で「無事かえる」、三匹で「さかえる」、四匹で「しあわせかえる」、五匹で「幸福かえる」、六匹で「むかえる」。かえるの置物も縁起物のひとつです。そのほか、ふくろうやお福さんも。
参拝の記念に、お気に入りの一品をみつけてみてはいかがでしょう。