新しい年の幕開けに「近くの神社で初詣をしたい」という方は、歩いて7分の「女躰大神」へどうぞ。当ホテルの鎮守神です。
「女躰大神」には、ある勇敢な女性の御霊が祀られています。
はるか昔、近くを流れる多摩川の呼び名は「暴れ川」。大雨が降るたびに氾濫を重ね、田畑が冠水するだけでなく、土地が変形する事態にまで陥ってしまいました。
いよいよ農業を営むのが難しくなり、村が窮地に陥ったそのとき、「自らが犠牲になる」とひとりの女性が川に身を投げ、水神の怒りを収めました。その後、村の水害はなくなり、人々は農業に励むことができました。
村人たちは、女性の偉業を称え後世に伝えていくために、多摩川近くの「ニコニコ松」の下に一祠を建立。江戸時代中期以降、現在の「女躰大神」に場所を移し、お祀りされるようになりました。
そうしたいわれから、女性の願いを叶える安産の神様としても親しまれています。
神社の門戸。通年閉じられていますので、ご自身で開けてお入りください。
手水舎は、空襲の被害に遭わず、唯一残った建物。屋根の左右にある飾りが、明治以前に建てられたことを象徴しているそうです。
戦後に再建された本殿。上部に目を向けると素晴らしい彫刻が施されているのがわかります。
思わずうなってしまうのが、中央の龍。龍神は龍が天に昇るイメージから成功と発展の象徴とされるほか、気象、海流、地熱の流れをつかさどり、地上を自然災害から守る神様です。江戸時代の最大の禍といえば火災。本殿には水にまつわる動物やシンボルがあちこちに見られます。
横にたたずんでいるのは象。確かに水を吐く生き物ですね。
これは「懸魚(げぎょ)」。中心から出ている棒は「樽の口」と呼ばれ、樽酒の口を栓で止める形を模す、水を注ぐ火伏せです。
樹齢およそ150年の御神木(銀杏の木)にもぜひお参りを。
「難を転ずる」とされる南天が樹上に宿ったことから、困難に打ち勝つ力を授けてくれるといわれています。