「塩浜運河」や「田辺運河」、「南渡田運河」など川崎港内の運河をくまなく巡り、川崎工場夜景エリアのほぼ全域を鑑賞できる、唯一無二のクルーズツアーです。

所要時間は移動を含めて約3時間（乗船時間は約2時間）。川崎駅東口から屋形船発着所まで専用バスで送迎してもらえるのでアクセスもスムーズです！

乗船するのは、屋上部分がデッキになっているハイブリッド型の屋形船。出航、帰港時や橋下を通過するタイミング以外は、自由にデッキに出られます。

こちらは、参加者全員に配布されるオリジナルの冊子。見どころや航路などが詳しく記されています。きらびやかな表紙を眺めるだけでワクワク感が増してきました！

船上でガイドを務めるのは「川崎工場夜景ナビゲーター（以下、ナビゲーター）」。川崎産業観光振興協議会が養成する「ようこそ！かわさき検定」に見事合格し、さらに約1年の現場ガイド研修を修了されたみなさんです。一体どんなエピソードが飛び出すのか！？スマホを携え、いざ出航です！

デッキに上がりカメラを構えてみると、想像以上に写真がブレてしまう……。事前に伝えられた「船上撮影はブレとの戦い」という言葉が身にしみたスタートとなりました。
ポールにもたれつつ体を安定させ、脇を締めてなんとか体制を整えたそのとき、京浜運河にある「天然ガス発電所」の魅惑的な姿が。ナビゲーターの間では「ツインアクア」と呼ばれ、親しまれているそうです。

天然ガスは、排出される二酸化炭素や窒素酸化物が他の化石燃料よりも少なく、環境への負荷が小さいとされるエコな燃料。この発電所では合計約84.7万ｋW（約30万世帯分）の電力を発電しています。

水面に映る緑色のライトが、夜景の美しさをより引き立てています。

次に見えてきたのは、南渡田運河に位置する機能性化学メーカーのプラント。使用済みのプラスチックを用いた水素製造をはじめ、リサイクル事業を展開しています。白いモヤはなんと水蒸気。このプラントのみならず、川崎臨海部の工場から排出される白いモヤはすべて水蒸気とのこと。工場街の空気、想像以上にクリーンなんですね。

メタルランプの白い灯りが印象的。ナビゲーターの間では「ホワイトキャッスル」と呼ばれているそうです。川崎工場夜景を代表するスポットとあって、参加者のカメラを構える手にも力が入ります。人物やほかの人のスマホ画面を画角に入れると、臨場感ある１枚になることがわかりました！

遠目から見てもひときわ目立つ、聖火のような炎。余剰ガスを無害化するための装置「フレアスタック」です。京浜運河にある石油精製会社に複数本設置されています。

「フレアスタック」の直下まで接近し、燃え盛る炎を間近に見れるのも「川崎工場夜景屋形船クルーズ」の特長。そのときの操業状態によって炎の見え方も変化するとか。ちなみにこの日はいつもより炎の大きい“ラッキーDAY”だったようです！

末広運河に差し掛かったタイミングで「この場所からノーベル賞受賞者が輩出されました」とのアナウンスに、どよめく船内。この総合化学メーカーでは、エコタイヤの原料となる合成ゴム、車のテールランプカバーの原料となるアクリル樹脂などを生産。立ち並ぶプラント群も迫力満点です。人気ゲームと川崎工場夜景とのコラボイベントで、キービジュアルに選ばれたというのもうなずけます。

約2時間のクルーズで楽しめるのは、工場夜景だけではありません。普段立ち入ることのできない運河の全貌を見渡したり、

横浜市との境界線付近で、ベイブリッジやランドマークタワーの姿を船上から眺めたり、

船便で送られる国際郵便物すべての経由地・川崎東郵便局の姿もしっかり確認できました。

知識豊富なナビゲーターの解説とともに、五感で楽しめるスペシャルな体験「川崎工場夜景屋形船クルーズ」。スマホでの撮影も、コツさえつかめば美しい夜景を切り取れることがわかりました。非日常空間に浸りながら、充実のひとときになること間違いなしです！