スタートは浅草線「押上＜スカイツリー前＞」駅直結の東京スカイツリータウンから。634メートルの高さを誇る自立式電波塔「東京スカイツリー」を中心に、商業施設「東京ソラマチ(R)」、オフィス棟の「東京スカイツリーイーストタワー(R)」などから構成される大型複合施設です。

真下からのぞむ東京スカイツリー。さすがは世界一、のけぞってしまうくらいの高さです。まずは天望デッキに向けて出発！

入口フロアでチケットを購入後、エレベーター「天望シャトル」に乗って、高さ350メートルの「天望デッキ フロア350」へ。

エレベーターは春・夏・秋・冬の4台があり、並んだ順に案内されます。
私たちが乗ったのは、空に咲く大輪の花火と隅田川の情景を江戸切子で表現した「夏」。幻想的な美しさについ見とれてしまいました。

そのほか、桜吹雪が空に舞い上がるイメージを銀箔で表現した「春」、祭の熱気によって神輿の羽飾りが空へと舞い上がるイメージを飾金物で表現した「秋」、都鳥たちが墨田の空へと舞い戻るイメージを鋳物で表現した「冬」も。どれに乗れるかは当日のお楽しみです！

地上350メートルの「天望デッキ フロア350」に到着！隅田川や東京湾、東京タワーなど都内の風景が一度に味わえる贅沢さを感じます。特に冬の晴れた日には空気が澄んで、富士山もくっきり見えるんだとか。

無料で配布されているパンフレットには、柱番号に合わせた眺望イメージが描かれています。なんて心強い味方！

天望デッキでのアクティビティは、眺望だけではありません。
「SKYTREE CAFE」でドリンクや軽食を楽しんだり（写真は、ピーチと巨峰のシロップにラムネの風味をプラスした「カラフルあじさいフロート／750円」※販売終了）

リボンに願いを書き込み、「W1SH RIBBON」に結んだり。

実は東京スカイツリーは、都内屈指のパワースポット。富士山と明治神宮、皇居（昔の江戸城）、そして茨城県鹿嶋市の鹿島神宮を結ぶレイライン（古代の遺跡や聖地が一直線上に並んでいる線）の上に建っており、ポジティブなエネルギーが集まる場所だと言われています。

「W1SH RIBBON」が設置されたのは、コロナ禍にあった2020年。「みんなでこの困難を乗り越え、新たな未来に向けて前進するすべての人の気持ちを後押ししたい」という想いが込められています。
世界一高いタワーの１にちなみ、「一番になりたい」、「自分自身の一番の願い」、「みんな一丸となってかなえたい想い」など一人ひとりの「１」の願い=Wish を「W1SH」と表現しています。

願いが書かれたリボンは、レイライン上の始まりの場所に位置する鹿島神宮に納められます。

リボンは全10色。カプセルトイ（500円）で購入するため、どの色になるかは運次第です！

さらにエレベーターで、地上445メートルの「天望回廊 フロア445」へ進みます。最高到達点までの6メートル超を自分の足で上れます。なんとも粋なはからいですね！

ゆったりとした回廊を進みながら、451.2メートルの最高到達点「ソラカラポイント」に到着！喜びもひとしおです。

最後に「天望デッキ フロア340」にあるガラス床から、地上を眺めて終了。アクティビティ満載のタワー内で、世界一の高さを余すところなく堪能できました。

お土産の購入や食事は300以上の店舗が集まる「東京ソラマチ」でどうぞ。おすすめは、食品、雑貨、カフェなどが並ぶ「ソラマチ商店街」。“大屋根と軒”や一直線に連なる軒のルーバー、江戸切子を使ったショップ行灯など、新しい下町の姿が垣間見れる内装にもぜひご注目を。

ス東京スカイツリータウンは、ドームシアター「コニカミノルタプラネタリウム天空 in 東京スカイツリータウン(R)」や「すみだ水族館」などアミューズメント施設も充実しています。そのなかから今回はソラマチ9階にある「郵政博物館」をセレクト！郵便・通信に関する収蔵品を展示・紹介する博物館です。

郵政博物館が力を入れているのは、デジタルを駆使しながら“郵便や通信がもたらす人と人との心のつながり”が感じられる、体験・体感型のコンテンツ。エントランスのすぐ近くに設置されている「絵葉書クリエーター」もその1つです。

「絵葉書クリエーター」はタッチパネル式のプリントマシン。郵便に関連ある背景とキャラクターの中に自らの顔写真をはめ込み、世界で1枚だけのオリジナル絵葉書を作成することができます。こちらは、なんと無料！

スタンプや文字でデコレーション加工をしたり、6種類からセレクトしたBGMをQRコードに変換して貼付できるのは、まさしく令和時代の絵葉書。デジタル技術の賜物ですね！

作成した絵葉書は、館内のカプセルトイ（500円）で切手を購入し、郵便ポストに投函することも可能です。

ひとつのカプセルには、フレーム切手85円と110円（各１枚）、「フォトインキーホルダー」が１個入っています。切手デザインの組み合わせは全部で３パターン。

館内に設置されているスカイツリー型ポストに投函すると、スカイツリーと桜橋が描かれた向島郵便局の風景印が押されます。これは楽しみ！

さぁ、いよいよ常設展示室へ。「始」「郵便」「手紙」「切手」など6つのコーナーに分け、郵政に関する国内外の資料約400点のほか、国内最大となる約33万種の切手が展示されています。
“「郵便」ノ世界”には、絵葉書クリエーター内で“着用”した明治時代の制服もしっかり展示されていました！

“「切手」ノ世界”では、国内最大となる約33万種の切手を展示。日本のみならず、世界の貴重な切手の数々を閲覧できます。ちなみにイギリスは、郵便発祥の国のため、世界で唯一、切手に国名が記されていないのだとか。現物を見て、なるほど納得。

こちらは明治時代、国内で使用されていたはがき。当時は厚い紙をつくる技術がなかったため、和紙を二つ折りにしていたものの、筆書きが主流だったために片側に墨が映り、肝心の住所が判明できない事態に！やがて厚手の洋紙がつくられるようになり、現在の形に変更されたそうです。

展示されている通称“郵政カブ”は、またがって写真撮影することもできます！バイク好きのホテルスタッフは、貴重な“郵便配達専用設計車”の構造に興味津々。目を凝らしながら細部までじっくり眺めていました。

ランチは、東京スカイツリータウンからちょっぴり足を延ばして、江戸時代から栄える花街・向島へ。「向島七福すずめの御宿」は、料亭の板前による天ぷらや江戸そばが味わえるお店です。

料亭が営むお店らしい、上品で落ち着きのある内装。美しい生花のしつらえもさすがの一言です！

「向島七福すずめの御宿」は、味噌を大根おろし汁に溶いた、ほんのり甘い「江戸つゆ（煮抜き汁）」を忠実に再現し、提供する日本で唯一のお店。醬油、江戸つゆの2種類のそばつゆで十割そばを堪能できます。

ランチメニューの「江戸そばとちょっと一口 うにの貝焼きご飯（1,700円）」。写真右が醬油ベースのそばつゆ、左が「江戸つゆ（煮抜き汁）」です。

そばは、すべて十割。「そばを食べることが療法」とされていた江戸の食文化を今に伝えています。

こちらは「天麩羅定食（2,700円）」。すぐに目に留まったのは、お皿の前方で、まるで泳いでいるかのように盛り付けられた稚鮎！

特別に実物を見せていただきました！愛知の天竜川で採れた稚鮎は、苦味がなく、爽やかな口当たりでした。

こちらは、「江戸蕎麦とちょっと一口鶏つくねご飯（1,480円）」の丼。鶏ならではのジューシーさがしっかりと口に残り、食べ応えのある一品です。

一流のおもてなしと調理技術が光る名店で、極上のひとときが過ごせました。

日本の食文化を語るうえで欠かせない和菓子。1933年創業の「お城森八」は、お城さながらの本格和風建築で銘菓を購入できる、珍しいお店です。

現在の店舗となったのは1981年。先代のご主人が一念発起して建立されたとか。障子やふすまなど美しい和のしつらえが目を引きます。。

天井画は、院展など数々の受賞歴を誇る高崎興によるもの。まるで美術館にいるような錯覚におちいってしまいました。

人気商品は「栗最中」。“大きな栗にあんこたっぷり”のスタイルは、創業当時「甘味はお客様の大きな楽しみだから」と、できるだけ甘めにしたのが始まりなんだとか。こだわりのあんこには、北海道産の小豆を使用しています。

「栗最中（写真左）」は白あん、つぶあんの2種類で1個313円、外国人にも人気のクッキー仕立て「兆雅せんべい」は216円。和の華やかさを感じるパッケージで、プレゼントにも喜ばれそうです！

最後に訪れたのは「たばこと塩の博物館」。渋谷の公園通りから墨田区に移転したのは2015年のことでした。倉庫をリノベーションしたというモダンな外観は「たばこの葉を屋内で吊干しし、乾燥させていた旧来のたばこ製造の風景」がモチーフだそう。

玄関には、1978年の開館時から展示されているシンボルモニュメントの姿が。古代よりたばこが暮らしのすぐ近くに存在していたことがうかがえます。

この博物館がたばこと塩というユニークな取り合わせである理由は、両方ともかつては専売品だったから。たばこと塩の歴史や文化を広めるため、日本専売公社（現・日本たばこ産業株式会社）によって設立されました。

まずは、3階にある常設展示室「たばこの歴史と文化」へ。アメリカ大陸で誕生し、世界中に広まっていったたばこを「たばこ文化の発生と伝播」「世界のたばこ文化」「江戸時代のたばこ文化」「近現代のたばこ文化」の４つのコーナーで紹介しています。

入ってすぐに、まるで遺跡に迷い込んだような空間に圧倒！メキシコ・パレンケ遺跡「十字の神殿」の一部を現地職人が再現したというこのコーナー。右側の「たばこを吸う神」は、たばこの資料としては最古のものなのだとか。

「世界のたばこ文化」コーナーでは、世界の喫煙具やパッケージを紹介。今回2度目の“引き出し型展示器具”に感激！

「江戸時代のたばこ文化」では、当時のたばこ屋さんの風景も。店内で葉っぱをキセル用に刻んで販売していたようです。

「近現代のたばこ文化」コーナーでは、明治から現代までの広告やパッケージを見ながら、日本のたばこの歴史を俯瞰できる「メディアウォール」や

戦前から平成初期まで、世田谷区の九品仏で実際に営業していた店先をそのまま移築した、架空の「業平たばこ店」も。昭和レトロなフォトスポットに、ついつい盛り上がってしまいました！

続いて、2階の常設展示室「塩の世界」へ。「世界の塩資源」「日本の塩づくり」「塩のサイエンス」の３コーナーで構成されています。

「世界の塩資源」では、世界各国のさまざまな岩塩が展示。

コーナー中央には、重さ約1.4トンのポーランド岩塩も！「本当に塩なの？」とまじまじと眺めてしまいました。

「日本の塩づくり」コーナーでは、海水を煮詰めてつくるプロセスの詳細や江戸時代の塩づくりの風景を再現したジオラマが。

当ホテルの所在地である川崎市も、かつては塩づくりが行われていたようです。確かに塩浜という地名、あります！

「塩のサイエンス」コーナーでは、塩が入っている容器を台に置くと、塩の原料や産地、製法、種類などが表示される装置も。デジタル技術を駆使した体験型の展示に、心が躍りました。

1階のミュージアムショップでは、レモン・梅・黒糖味の「三色塩飴（270円）」など、たばこや塩にまつわるグッズを多数販売。旅の記念にお気に入りの1品を見つけてみてはいかがでしょう。