築地といえば、海鮮グルメ！ということで、はじめにご紹介するのは「海玄seagen（しーげん）」。数多くの寿司の名店がひいきにする仲卸「やま幸」の直営店です。2021年9月にオープンした新店ですが、上質なまぐろがお手頃価格で食べられると話題を呼び、またたく間に築地場外市場の顔となりました。

お店に到着したのは開店の15分前でしたが、すでに行列。最後尾に並び、入店したのはおよそ30分後でした。外国人観光客も多く、ワールドワイドな人気ぶりがうかがえます。

「究極の海玄まぐろ丼（4,000円）」。3種類の‟秘密“部位が味わえる、午前中売り切れ必至の人気ナンバー1メニューです。山芋のすり流しと小鉢（この日はまぐろ大根煮）がついてきます。

見目麗しい「海玄ばらちらし（3,400円）」。そのまま食べても、海苔に包んでじっくり味わっても。味だけでなくプロセスも楽しめる一品です。

そのほか、開店と同時に売り切れてしまうという「ある時だけのまぐろ漬け丼（1,200円税込）」などメニューは全5種類。すべてに「まぐろのコラーゲンスープ」がつきます。

海鮮の美味しさはもちろん、ごはんも粒が立っていて歯ごたえあり。記憶に残る一杯でした。行列必須ですが、並ぶ価値アリです。

お次は築地らしいスイーツを求めて「築地さきのや」へ。パリッとした皮のなかに、十勝産小豆を使用した小倉あんがたっぷり入った「まぐろ焼き（左／280円）」が名物のお店です。「クリームソーダ（右／600円）」にも、まぐろの姿がちらり。どちらも“映える”メニューですね！

築地場外市場から歌舞伎座に移動。ほんの10分歩いただけで、街の様相ががらりと変わります。

さて、今回おすすめしたいのが気軽に歌舞伎を鑑賞できる「一幕見席（ひとまくみせき）」です。

通常、歌舞伎公演は、昼の部、夜の部が3～４演目で構成され、通しで約4時間を要しますが、「一幕見席」は、歌舞伎の好きな幕だけを選んでお手頃な値段で楽しめるのが特徴。4階から鑑賞します。

当日のチケット購入が可能とのことで、まずは、正面向かって左にある「一幕見席」チケット売り場へ。当日券は自由席のみ、毎日10：00から販売されます。なお、オンラインでは前日12：00から指定席が購入可能。自由席が20席なのに対し、指定席は70席と比較的取りやすいので、もし予定が決まっているなら、オンラインでの事前購入のほうが確実かもしれません。

取材時は、13：31からの第3幕（1,800円）を購入しました。演目によって価格は異なりますが、1幕につき500～1,800円。とてもリーズナブルですよね。

鑑賞までの空き時間や鑑賞後は、地下2階でのショッピングがおすすめです。さまざまな店舗が軒を連ね、お祭りのような風情の「木挽町広場」では歌舞伎座関連グッズや和小物、お菓子などのグッズを購入できます。

伝統芸能である歌舞伎と、古くから親しまれてきたせんべいを後世に伝えるために命名されたとされる「歌舞伎揚（500円税込～）」。歌舞伎座で見ると、何だか感慨深いものがありますね。

Z世代を中心にじわじわ人気が広がっているワッペン（390円）は、歌舞伎座らしい和のモチーフ。

封筒に入れて郵便で送れる「通信うちわ・大（660円）」は外国人観光客に人気の一品。日本らしい艶やかなデザインが目立ちます。

地下2階からふたたび正面入り口へ戻り、向かって左手にある入口から4階「一幕見席」へ。

4階窓口（一幕見席ロビー）では、ぜひイヤホンガイド（1台500円・簡易版英語音声ガイド800円／現金のみ）のレンタルを。解説が入ることで、ストーリーがわかりやすくなり、ぐっと感情移入できるようになります。

4階から舞台をのぞんだ景色。左手にある花道は一部しか見えませんが、そのほかは難なく120分の演目を楽しみました。長唄や三味線、出囃子などの美しい音色もしっかり届き、はじめての歌舞伎を心ゆくまで堪能。この「一幕見席」、特に初心者の方におすすめです。

歌舞伎を鑑賞したあとは、歌舞伎座タワー5階「歌舞伎座ギャラリー回廊」へ。無料で開放されている「屋上庭園」から「五右衛門階段」はぜひとも足を運んでいただきたいコースです。ビルの谷間に広がる自然に癒されたあとは……

歌舞伎座大瓦屋根を至近距離から見学。

朱色が印象的な「五右衛門階段」で下る途中の踊り場では、ぜひ「鳳凰丸紋の瓦」にご注目ください。

右から７番目、この写真では右から2番目だけ、向きが違う「逆さ鳳凰」に。この丸紋をみつけられると幸せになるといわれています！

「四階回廊～想い出の歌舞伎座～」では歴代の歌舞伎座の模型や物故俳優の舞台写真が展示されています。写真は第3期（1924年～1945年）の歌舞伎座に飾られていた「国姓爺合戦」。大正から昭和初期に活躍したステンドグラス作家・小川三知の作品です。

現在の第5期歌舞伎座の劇場ロビーに敷かれている絨毯の織り見本の一部も展示。明治から今に続く歌舞伎座の歴史をさまざまな角度からなぞることができる、貴重なフロアです。